シルバー人材センター事業のしくみ

シルバー人材センター(センター)は、家庭、企業、公共団体(発注者)からの 「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な業務」に対し、会員の中から適任者を選任して、その仕事を行います。
(ここでいう「その他の軽易な業務」とは、特別な知識又は技能を必要とすることその他の理由により同一の者が継続的に当該業務に従事することが必要である業務をいいます。)

請負又は委任による就業 センターは発注者から高年齢者にふさわしい仕事を請負契約又は委任契約により引き受け、センターはその契約内容に従って仕事を完成させます。
発注者と就業する会員との関係 発注者と就業する会員との間に雇用関係はありません。発注者は、就業する会員に対して指揮命令権はありません。
契約代金の支払い 発注者は仕事の完成後、センターに対して契約に基づく代金を支払います。
安全対策と保険制度 センターは、受注した仕事の遂行に当たっては、十分な安全対策を講じています。万一、仕事中に会員が傷害を受けたり、 発注者等に損害を与えた場合に備えて、民間の損害保険(センター団体傷害保険、総合賠償責任保険)に加入しています。
雇用による就業 会員が企業の社員などと共同して仕事を行うことが必要な場合は、連合本部を通じて労働者派遣事業または、職業紹介事業を利用することができます。

シルバー人材センター事業のあゆみ

■ シルバー人材センターの創設

 急速な高齢化が進展する中で、高齢期を有意義にしかも健康に過ごすためには、定年などで現役引退した後も、 なんらかの形で働き続けたいと希望する高年齢者が増えてきたことを背景に、昭和50年(1975年)、 東京都において「高齢者事業団」が設立されました。 同事業団は、「自主・自立、共働・共助」の理念の下に、 「一般雇用にはなじまないが、高年齢者がその経験と能力を生かしつつ、働くことを通じて社会に貢献し、 生きがいを得ていく機会を確保する」ことを主たる目的とするものであり、同事業団の設立を契機として、 全国各地域に広まっていきました。

創設

■ 国の政策とシルバー人材センター
 国は、第4次雇用対策基本計画で示された基本方針(常用雇用的な就業に限らず多様な形態での就業機会が確保されるよう努める) に沿って、昭和55年(1980年)から、高年齢者に対する任意的な就業機会を提供する団体を育成する自治体に対し、国庫補助を行うこととしました。
 これを契機に、「高齢者事業団」などの名称は、「シルバー人材センター」と統一され、事業が更に拡大されました。

■ シルバー人材センターの法制化とその後
 昭和61年(1986年)に施行された「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」において、 定年退職者などの高年齢者の就業機会の確保のため、必要な処置を講ずるよう努めることが国及び自治体の責務 として位置付けられ、シルバー人材センターは法的に認められました。
 これにより、全国各地におけるシルバー人材センターの設立は飛躍的に伸びることとなりました。さらに、 同法の平成8年(1996年)度の改正により、シルバー人材センターは、新たに都道府県ごとに指定される 「シルバー人材センター連合」の活動拠点として位置付けられました。
 これにより、都道府県が行う高齢社会対策と円滑な連携の下に、活動拠点が一体となってシルバー人材センター事業を 効果的に展開することが可能となりました。
 平成10年(1998年)にはシニアワークプログラム事業が、平成16年(2004年)には届出制による一般労働者派遣事業が、 平成20年(2008年)には企画提案方式事業が実施されました。
 また、平成27年(2015年)の労働者派遣法の改正により、一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の区分が 廃止され、すべて労働者派遣事業となりました。